介護タクシー業務で病院へ迎えに行くとき、私はどうしてもスタッフの雰囲気を見てしまう。
スタッフからすれば、私はただの介護タクシードライバーである。
それでいい。
特別視もされず、評価する立場でもない。
だからこそ、そこにいる人たちはとても正直。
挨拶をしても聞こえていないのか、そのまま通り過ぎる方もいる。
きちんと目を見て挨拶を返してくださる方もいる。
職種はあまり関係ないように感じる。
特に受付の空気には、その病院の印象がにじみ出る。
言葉遣い、目線、間の取り方。
それらが、その場所の文化をつくっている。
とはいえ、これまでに強い悪い印象を持った病院や施設は今のところない。
それぞれに努力と役割があることを感じている。
そんな中で、私が迎えに行くのを少し楽しみにしている病院が、地元糸島にある。
決して大きな病院ではない。
新しい建物でもない。
しかし、退院される患者さまが涙を流されることが高い。
そしてご家族の、その病院に対する感謝の気持ちが非常に大きいのである。
迎えに行くたびに、それが伝わってくる。
玄関では、ソーシャルワーカー、看護師、リハビリスタッフが自然と見送りに出てこられる。
タイミングが合えば、医師が玄関まで来られることもある。
決まりではないはずである。
しかし、そこにいる人たちの気持ちがそうさせているように見える。
スタッフと患者さまが共につくり上げている病院。
それが、外部の立場である私にも伝わってくる。
その日、玄関前のしだれ梅が美しく咲いていた。
その風景が、その病院の空気を象徴しているように感じた。
糸島市で介護タクシーSmile Life Care+を運営していると、こうした場面に立ち会うことがある。
移動は単なる手段ではない。
そこには人と人の関係性が映し出される。
それを見ることができるのも、
介護タクシードライバーという立場だからこそである。

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