〜助かった、という感覚〜
今朝、とてもはっきりとした夢を見た。
とうとう九州にもクマが出た、という設定だった。
現実ではほとんど聞かない話なのに、
夢の中ではそれがごく自然に「起きてしまったこと」として存在していた。
私は介護タクシーの仕事中で、
お客さまをお乗せしていた。
なぜかその方は、星野真里さんの娘さんだった。
クマに遭遇した瞬間、
恐怖よりも先に体が動いた。
「とにかく逃げないと」
「この子を守らないと」
私はその子を抱えて、必死に逃げていた。
向かった先は、広い場所でも人の多いところでもなく、
民家に逃げ込むことだった。
そして迷うことなく選んだのが、
実家の近くにある同級生の家。
なぜそこなのか、理由は分からない。
けれど夢の中の私は、
そこが一番近くて、一番安全だと確信していた。
助けを求めて家に入り、
私はその子を抱えたまま、
3階までの階段を必死に駆け上がった。
重さも、息切れも、怖さもあったはずなのに、
頭の中にあったのは、ただひとつ。
「守りきること」
そして、何とか助かった。
そこで目が覚めた。
普段は、夢を見ることもなく爆睡している。
起きたら何も覚えていないことの方が多い。
それなのにこの夢は、
映像だけでなく、
その時の感情まではっきりと残っていた。
怖かった。
必死だった。
でも同時に、
どこか冷静でもあった。
目が覚めてから、
「だいぶ覚悟ができてきているのかな」
そんなことをふと思った。
夢の中の私は、
逃げ出してはいなかった。
誰かを置いていく選択もしなかった。
怖さを抱えたまま、
それでも判断して、抱えて、走って、登っていた。
夢は、
これから起こる未来を予言するものではなく、
今の自分の状態を、
少し誇張して見せてくるものなのかもしれない。
クマが出るほどの状況でも、
私は何とか助かった。
その事実が、
今の自分を静かに支えてくれている気がする。
夢にしては、ずいぶん現実的だったけれど、
たぶんこれは、今の私なりの準備運動なのだと思う。

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