11月21日
以前ご案内させていただいた方に久しぶりにお会いして、
「外出して良かったこと、ベスト4」を聞かせてもらった。
1つめは、空の青さ。
2つめは、海の青さ。
3つめは、ホットドッグのうまさ。
4つめは、家内と孫と、そして冨ちゃん(=私)とドライブできたこと。
まるで宝物を並べるみたいに、ひとつずつ丁寧に言葉にしてくれた。
そして最後に、静かにこう言われた。
「生きた心地がした」と。
「生きた心地がした」という言葉は、ただの感想ではない。
長く続く病気との向き合い、外出の難しさ、思うように身体が動かない日々。そうした背景の上に落ちてきた、重たくも温かい一言である。
空の青さも、海の青さも、ホットドッグのうまさも、
奥さんとお孫さんと私と一緒に過ごした時間も——
それらは全部、その日の風景として並んでいたはずだ。
しかし、そのすべてを包むようにして最後に出てきたのが
「生きた心地がした」という言葉であった。
“久しぶりに自分の人生を外側から眺められた”ような、
“ちゃんと自分が世界に戻ってこれた”ような、
そんな感覚だったのではないかと私は思う。
病気や障がいによって日常が制限されると、
景色が単なる景色ではなくなる。
外に出ることそのものに勇気が必要になる。
だからこそ、その日一緒に見た青さや味わった美味しさは、
単なる余暇ではなく“生きている実感”に変わる。
「生きた心地がした」という言葉は、
その方が “もう一度、自分の時間を取り戻せた瞬間” を教えてくれたのだと思う。



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